福島県指定重要無形民俗文化財 二本松神社例大祭
『二本松の提灯祭り』
【期間】令和元年10月5日(土)~10月7日(月)
今から約370年前(1643年:寛永20年)丹羽光重公が二本松城主として入部した際、「よい政治を行うためには、領民にまず、敬神の意を昂揚(こうよう)させること」と考え、現在の栗ヶ柵に二本松神社をまつり、領民なら誰でも自由に参拝できるようにしたのが「提灯祭り」の始まりといわれております。
最初は、旧暦の8月15日を挟んで行われていましたが、大正7年(1918年)の二本松大火から、10月4日、5日、6日に行われ、2019年より10月第1土・日・月曜日に行われます。
二本松の提灯祭りは神事です。
二本松の祭礼は元来、夏の御霊会です。
「太鼓台」と呼んでいる山車は神が降りてくる依代です。
そこには、御霊も依り付くのでお囃子により慰め鎮めます。
神輿渡御の際、太鼓台は神輿にお供して各町内を回り、お囃子で神輿に宿る神霊を高め、市民の安全と健康を祈願します。
二本松の祭囃子はこの渡御巡行の時に奏されます。
お囃子は各町内に数曲ずつ伝承されており、奏される曲目は、時と場所により厳格に使い分けられています。
「宵祭り」のみどころ(10/5)
提灯祭りで一番のみどころとなるのは、初日の宵祭り。
この日は各町内から鈴なりの提灯をつけた7台の太鼓台が繰り出し、二本松神社のかがり火を紅提灯に移します。
太鼓台は威勢のいい若連のかけ声とお囃子を奏しながら、市内を勇壮に練り歩きます。
夜空を赤々と焦がしながら移動する3千もの提灯は見物客まで熱くします。
夜間の運行で7町全ての町内が揃うのはこの日だけです。
最後は二本松駅前に集合し、宵祭りが終わります。
≪スケジュール≫
- 15:00 例大祭
- 17:00 御神火祭
- 17:50 出発式(亀谷ロータリー)
- 21:27 宮向
- 23:30 二本松駅前広場着
この日には、隣あう字(あざ)が呼び起こしをします。これが祭礼実施を告げる行事です。
本町→松岡…12:35(八坂神社前)
本町→亀谷…13:10(さくら・吉蔵前)
亀谷→竹田…14:00(亀谷・竹田坂上)
竹田→根崎…16:00(嘉登屋呉服店前)
竹田→郭内…16:15(関巧業前)
松岡→若宮…16:25(ヘアーサロンカシワタニ前)
※運行状況により前後します。
「本祭り」のみどころ(10/6)
例大祭の最も重要な行事である「神輿渡御」が行われる日です。
7町合同引き廻しも2日目を迎え、午前8時半頃駅前を出発し、午後3時頃まで行われます。
その後、神社では神輿の宮入が行われ、夜は各町内に戻った太鼓台が再び提灯を点けて、各町内を練り歩きます。
≪スケジュール≫
- 9:27 宮詰
- 14:50 7町解散式
「後祭り」のみどころ(10/7)
祭り最終日。
昼は、それぞれの町内を引き廻し、夜は4町と3町のふたつに分かれ、合同引き廻しが行われます。
ひととおり廻った後も、名残惜しさゆえ、なかなかお囃子は止まず、夜が更けるまで満天の空に鳴り響きます。
≪スケジュール≫
- 17:00 3町合同出発式(霞ヶ城公園)
- 17:00 4町合同出発式(亀谷坂上)
- 20:00 3町合同解散式(根崎見附)
- 20:05 4町合同解散式(若宮桜谷交差点)
太鼓台について
◆すぎなり・・・神様の依代としてこの形に。高さは約11m。太鼓台の曳き回しコースに電線の横断線はない。ここは可動式のため、信号や看板などの障害物があるときは倒して曳き回しが行われる。
◆提灯・・・各町で異なるが、1台の太鼓台の提灯は約3,000個。各町の町名が入っているので、どこの太鼓台かがすぐにわかる。ローソクを使用している為、提灯が燃えることも時々ある。
◆ローソク・・・1本で約2時間。一晩の曳き回しでは、1台約1,500本のローソクを使う。交換の手際の良さも見もの。出発式(10/5)では、各町競って火を灯すが、火が点きやすいようあらかじめ芯を焦がしている。
◆提灯枠・・・提灯の枠は取り外しが可能。昼の曳き回しの時には、枠を外した太鼓台のみで練り歩く。出発式のローソク点火の際には、提灯枠を一旦外して点火する字もある。
◆高張り提灯・・・字紋の入った大きな提灯を竹の先に取り付けている。この提灯は太鼓台の前後に1個ずつあり、これが境界線となる。他の町内は追い越し禁止。他町内の綱がこの提灯より先に出ることは厳禁。
◆屋根係・・・屋根の上に乗り、ローソクの交換、すぎなりの操作、障害物の監視などが主な役目。提灯枠から身をのりだして踊るように煽るパフォーマンスも見もの。
◆太鼓台主任・・・お囃子があるので大声を出しても声が聞こえないため、拍子木で指示を出しながら太鼓台の指揮をとる。お祭りが終わるころには太鼓台主任(裁判長・幹事長)の声はつぶれている…
◆ワッパ(車輪)係・・・二本松の太鼓台に舵は付いていない。したがって、横車を押して方向を変える。ワッパ係はその重要な役割を担う。回転する方向へ、車輪のスポーク(矢)の部分を送って、容易に回転できるようにしてやるのが仕事。字によっては小さな鉄製の台車を使用しているところもある。若連の技術の魅せどころ。
◆囃子方・・・太鼓台の中央に囃子方は、若連が大太鼓と笛、小若(小学生と中学生)が小太鼓と3個と鉦を担当する。囃子は曳き回しの場所、状況により変化に富んだ演奏が聴ける。威勢のいい「シャンギリ」やスローで哀愁のある「豊囃子」など。
※二本松の提灯祭りパンフレットより
威勢よくお祭りが行われますが、祭は「神事」。
注意事項を守って楽しんでいただきたいそうです。
※道路の混雑が予想されますので、祭典期間中は公共交通機関(電車・バス等)をご利用ください。
※違法駐車はやめましょう。
※ゴミのポイ捨てはやめましょう。
※マナーを守ってご覧ください。
※歩きタバコはご遠慮ください。小さなお子様への配慮をお願いいたします。
※強引に割り込む、押すなどの行為は大変危険です。
※太鼓台に触ってはいけません。
※太鼓台の綱は跨がないでください。
※一般の方は太鼓台に直接触れることはできませんが、運行場所によっては、太鼓台を引くためにつけられた綱を、若連や小若と一緒に引くことが出来ます。
その際、他の「字」の手拭い等を着用することはお控えください。
※現場の若連・警察官・交通警備員等の指示に従ってください。
7町ある太鼓台の特徴や見どころも各字の若連会長に取材しました。
今後続々と投稿していきます。
おたのしみに。